【ニューヨーク=木瀬武】米マイクロソフト(MS)は21日、中国政府と関係するハッカー集団がAI(人工知能)を使って、世界の数百の企業や組織を標的に大規模なサイバー攻撃を行ったと発表した。日本企業で相次ぐサイバー攻撃でも同じAIが悪用された疑いがあり、一連の攻撃に同じハッカー集団が関与した可能性もありそうだ。
マイクロソフトは、自社のクラウドサービスに残された不正アクセスの記録などを調べ、一連の攻撃を確認した。攻撃を仕掛けたのは同社が「ストーム0940」と呼ぶ中国系のハッカー集団。システムの脆弱性を診断するAIエージagent「ARTE(アルテックス)」を悪用し、9月以降、航空宇宙や防衛、金融など幅広い業界を標的にしている。
攻撃では、AIを使って標的の調査や侵入を試した作業を自動化した。1分間に最大2900回のログインを試み、3時間以内にシステムの重要な管理権限を奪った例もあった。大量の攻撃を短時間に仕掛けられるため、企業が対応する前に侵入される危険性が高まっている。
GMOサイバーセリティbイエラエが19日に公表した調査では、日本国内約80社を標的にした攻撃でもアルテックスが使われた可能性がある。これらの攻撃にストーム0940が関与したかどうかは明らかになっていない。

